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究極のあげまんの悲しい末路

新社屋建設の風水監修をさせていただいた会社の社長さまから、「上棟式が無事に終わりました」と、ご連絡をいただきました。

上棟式というのは、「棟上げ」とも言いますが、建物の、柱や梁(はり)などの骨組みが完成した時に、無事に骨組みが出来上がったことの感謝と、建物の完成を祈願するための儀式です。

上棟式には、「オカメ」のお面を飾ることが多いんですが、誰でも知っているあの有名な「オカメ」は実在の人物で、実はこの方は、いわば究極の「あげまん」といえる女性なんですよ。 

「阿亀(おかめ)」さんは、京都の千本釈迦堂(大報恩寺)の本堂を建てた大工の棟梁、長井飛騨守高次の奥さんでいらした方です。

阿亀さんは、腕の良い大工だった夫を支え、その力もあったのでしょう、やがて夫の高次さんは、千本釈迦堂の本堂の建立にあたり、大工工事の棟梁に選ばれるほどの大出世を果たしたのでした。

高次さんの見事な采配で、本堂の工事は順調に進んでゆきました。

ところが、彼は寄進された大切な4本の柱のうち1本だけを、うっかり短く切り落としてしまうという、大変なミスをしてしまったのです。

上棟式は目前に迫ってきているというのに、代わりの柱は簡単には見つからず、悩み苦しむ夫に、妻の阿亀さんは素晴らしい提案をして夫の窮地を救ったのでした。

それは、「残りの3本の柱も同じ寸法に短く揃えたうえで、桝組(ますぐみ)という工法で補えば良いのでは?」というアイディアでした。

そのおかげで、建物はより安定感を増すことになり、本堂は見事に完成したのだと言います。

夫婦愛の美談でおわりそうなこのお話しなのですが・・・実は、夫の窮地を救った阿亀さんは、上棟式を待たずに、なんと自ら命を絶ってしまったというのです。

何故なら、「建築に素人の女の提案によって、大任を果たしたことが周りに知れては夫の恥」と、阿亀さんは考えたのです。

なんと悲しい選択をされたのでしょうか、阿亀さん、奥ゆかしさにもほどがあるって感じですよ。

そんな阿亀さんの功績をたたえて、今でも上棟式の際には、オカメのお面のついた扇御幣を飾るのです。 

それは、災難を転じて安全に工事がすすみ、無事に竣工することを願う意味もこめられているのだそうです。

それにしてもですよ・・・。

その道のプロでもない「女ごとき」が、夫に助言したと知られれば、夫の名誉を汚し、信用すら失わせてしまうだろう。  

そう考えて自害する道を選んだなんて、究極のあげまんとはいえ、あまりに悲しすぎる。

そもそも、内助の功という言葉は、750年ほど前のこの日本には存在しなかったのだろうか?と、私はすごくモヤっとした気分になってしまうわけですよ。

でも、おそらくその当時には、「素人のオンナごときが出しゃばって」などと言う人が、間違いなく存在したってことなんでしょうね。 

だってさ~、同じ職場の仲間同士で足の引っ張り合いなんて、現代社会にだってしっかりありそうではないですか。 昔だってきっと、あったのでしょうよ。

出る杭は打たれるって言葉があるように、ちょっと目立つ人物に対しては、些細な事を無理やりこじつけてでも、なんだかんだとやり玉に挙げようとする人たちがいるもんです。

阿亀さんは、きっと、大切な夫をそんな目に遭わせたくなかったのでしょうね。

だいたい、妬みや嫉妬は「女性特有の」陰湿行為だと、男性からはわりと言われがちな傾向があるって気がするけど、なんのなんの、社会的に立派なお立場のある殿方たちの間でこそ、やっかみや足の引っ張り合いなんて、日常茶飯事に繰り広げられているではないですか。

そういえば、昨年、ネット上の誹謗中傷によって、若い命を絶ってしまわれた女子プロレスラーの方に対して、悪質な中傷を繰り返していたとして、侮辱容疑で2人目の書類送検がされたというニュースを、数日前にたまたま見かけました。

あれだって、書類送検されたという一人目はたしか20代の男性でしたし、今回が30代の男性なんですね…。

その男性方は、いったい何を思って一人の女性に対して、そんな陰湿な嫌がらせを行ったのか・・・そのパワーや時間を、もっと建設的なことに使えなかったのか。 

哀切この上ない気持ちになりますよ。

以前、いわゆる男社会と言われる場所で、立派に出世を果たしたある女性が、私にこう言ったことがあります。

「あやちゃん、女の妬みや嫉妬も大概いやらしいもんやけど、男同士の妬みや嫉妬のほうが、そりゃ~もう、女よりもはるかにいやらしいと思うよ。」 

実際、私に寄せられるご相談の中にもあることですが、何かと妻や彼女や職場の同僚女性に対して、やたらとマウントをとろうとする男性って、いますよね。 

男性同士でやり合ってる以上に、むしろ見苦しさすら感じてしまいます。

自分に自信のない男性ほど、「女ごときが出しゃばるな」という態度でマウントをとろうとするものなんじゃないのかな? って気がします。 

DVやモラハラをやる男性なんて、完全にその典型だと思うんです。

そういうタイプの男性にとっては、女性は弱くて、頭が悪くて、男に媚びる存在でないと困るのでしょう。 

きっと、自分の存在を脅かされるような気持ちになるのでしょうね。

ところで、自害してしまった阿亀さんの夫である長井飛騨守高次という方は、妻の死を、それはそれは嘆き悲しんだのだといわれています。

私はまだ、お参りをしたことがありませんが、大報恩寺の境内には、今でも「おかめ塚」があるそうです。

「夫婦円満」「縁結び」のご利益があるといわれ、阿亀さんのに徳にあやかって、土木・建築業者の方々の、「災難厄除」祈願や「招福祈願」の参拝が後を絶たないのだそうです。

「オカメ」のお面の、あのふくよかで優しい笑顔の裏に、そんな悲しいお話が隠されていたなんて・・・でも、それは現代社会にもつながる様々なことを彷彿させます。

さてさて、海外に出かけられなくなって、すでに一年以上が経ちました。

一番最後に福岡空港の国際線ターミナルに行った時に、偶然みつけた、博多人形の「天鈿女命(アメノウズメ)」です。 

とても魅力的だったので思わず写真を撮りました。

アメノウズメは、天照大神(アマテラス)が天岩戸に隠れてしまった時、神々の前で踊りを踊った女性の神様で、猿田彦命(サルタヒコ)の奥さんになられた方。

この国における、最初のダンサーという存在ですから、芸能の神ともいわれています。 

アメノウズメには福徳円満のご利益がると言われますが、宮崎県の高千穂にはご夫婦が並んで祀られている荒立神社があって、こちらは芸事の上達や、ひらめきを与えてくれる他にも、やはり「夫婦円満」「縁結び」のご利益があるといわれます。

そして、アメノウズメこそが、あの「オカメ」のお面のルーツであると言われているのです。

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