6月の花嫁

昨夜からの雨は今朝になってもやまず、雨の中、毎月15日の恒例の神社参りに出かけたら、境内の緑があまりにも美しくて、しばし見惚れてしまいました。

神社はいつ訪れても、凛と引き締まった空気の中に、懐深く優しく迎え入れてくれますが、毎月、朔日と15日の参拝を恒例としていると、その月ごとに景色が変わり、季節の変化を顕著に感じとることが出来ます。

どれだけ慌ただしい毎日を送っていても、そこでふと、改めて季節の移り変わりを、しっかりと感じ取ることが出来るのです。

爽やかな5月の季節が過ぎて、今日は雨をたっぷりと浴びて青々と潤った木々が、活き活きとした様子で楽し気に見えて、雨の日は私はけして好きではないのだけれど、この国の風土には、梅雨はかかせない、とても大切な季節なのだなあと実感しました。

ところで最近、瀬戸内寂聴さんの話題には、よくセットのように登場なさる秘書さんのことを、ご存知の方も多いかと思いますが、あの方がご結婚なさったとの記事を、偶然今朝、目にしました。

先月入籍なさり、今月のはじめに披露宴をなさったとのこと。　

「あら、6月の花嫁は、女性の憧れだからかな…？」と思ったら、なんとそういうわけでははなくて、すでに97歳というご高齢でいらっしゃる寂聴さんを気遣い、できるだけ早くしたほうが、披露宴に確実に出席できるから…という理由だから、とのこと。

ですが、6月はとても人気の時期で、唯一空いていたのが「仏滅」の日だったそうで、でも、「その分料金も安いから、良かったわ～♬」的な感じだったみたいです。　うんうん、実に大らか(笑)

しかも寂聴さんも、「偉いお坊さんの私が良いって言ってるんだから、大丈夫だわよ‼」ということだったらしくて(笑)

「披露宴は早くやってくれないと私、死んじゃうわよ」
「わかってますよ、だから急ぎましたよ」
なんて、気兼ねなく何でも言い合える関係だと評判のお二人の会話を勝手に想像して、朝から一人でクスっと笑ってしまったのでした。

たしかに、結婚式には一般的に、大安の日がとても好まれますが、それでホントに縁起良くて、万事うまくいくというならば、世の中には離婚するカップルなんてそうそうあるわけなく…。

あ‼　もちろん、離婚したことで、人生がますます良い方向に開けてゆく方もたくさんいらっしゃるので、離婚が不幸だとも私はまったく思ってはいませんよ‼

そういうことではなくて、とにかく吉凶の日取りを見るのに、大安や仏滅は気にする必要ナシ！ということを言いたいのです。

たまたま空いてた「仏滅」の日に披露宴をする事で、費用が安く上がったなら、その分をゲストのおもてなしに、たっぷりとお返しすることができます。

だから私なら、むしろラッキーだと思うな！（笑）

それにしても、6月の花嫁は女の子の憧れです。

なにしろ、「ジューンブライドは幸せになれる」っていう、古くからの言い伝えがありますからね。

でもそれは、あくまでも6月にたくさんのお花が咲き乱れ、とても気候の良いシーズンである「欧米」でのお話。

日本ではご存知の通り、ジメジメした梅雨の真っ盛りです（涙）

結婚式に、留袖や訪問着などの、最高の格式の着物で参加してくださるゲストのことまで気づかえば、むしろ梅雨時の結婚式や披露宴は、逆に避けようかというのも、ある意味大人の配慮といえるかもしれません。

一生に一度のことだからと、花嫁姿に全力を注ぐ方もいらっしゃいますが、自分の夢の実現のためだけに行うものではないのですもの。

祝って下さる方々に、心からの感謝の気持ちを表現でき、細やかな配慮ができてこそ、素敵な花嫁だと言えるのではないでしょうか。

幸せを形にするということは、着飾った姿を周りに見せつけるということではないのです。

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