ウワサ話し

年末の厄落とし

「2軒目のお店で水かけられたから、クリーニング代出してくれるかと思ったけど、なかったね。 帰りもすみませんでした、とも言わなかったね。 ちょっと残念なお店。」

久しぶりに友人とお食事した翌日の、友人からのLINEです。

うん。

高いお洋服ではなかったしさ、大丈夫だったのだけど、
せっかく「ここ、安くて良いわぁ💕」と思ったのに、「な~んだ、安かろう悪かろうってことかい」って思っちゃった。

ポーズだけでも、お店の方からの、もうちょっと親身な対応があれば、今後は絶対に2軒目のお店リストの筆頭になったのにな。

こういう時に、お店の方のちょっとしたリアクションが大事なんだよなって思いました。

結局、高いお店との違いって、中の人の対応の質までが、お値段に含まれてるってことなのかしら。

年末に、ひとつ学びを得た気がする。

えっと……話しを巻き戻します。

週末、友人と一緒に今年の忘年会も兼ねて、六本松のお洒落で美味しい焼き鳥屋さんに行きました。

六本木じゃなくて、福岡の六本松ね。

すでにオープンしてから一年ほどたってますが、オープンするって聞いてから、ずっと行きたいと思っていたの。 それがようやく実現しました。

今年は年始から、すごくいろいろとあってホントに大変で……そもそも、友人と二人でお食事に行くこと自体が、一年ぶりでした。

今年もあと数日だけど、考えたら、今年の焼き鳥屋さんディナーが初めてだわ‼

そんなわけで、焼き鳥屋さんだから、実は、着て行く服をどうしようか悩みました。

ほら、焼き鳥屋さんって、やっぱりさ、煙の匂いがついちゃうじゃない?

一番悩んだのがコートです。 こういうお店では、コートはたいてい食事する席の近くの壁に掛けたりするでしょう。 

だから、お気に入りのダウンコートにするか、お気に入りのボアコートにするか……。

悩んだ挙句、ボアコートを着て出かけたの。

あ、何度も言うけど、すごくお気に入りのやつね。

そして、焼き鳥屋さんでお腹を満たし、お店を出てから、もうちょっとお喋りしたいよねって歩いていたら、近くにカフェ風のお店を見つけたので入ってみました。

事件が起きたのは、このお店。

店内を見渡すと、奥の広いテーブルには、ご近所のお茶のみ友達って感じの熟年層の男女が、にぎやかに盛り上がってます。ふむ、ここはどうやら、地元の方たちに愛されているお店っぽい。

私たちは、窓辺のお席に案内してもらいました。

メニューに目を通したら、なんとびっくり、とってもリーズナブル! 

しかも、お飲み物の種類も豊富な上に、「ワンコイン」のメニューもいろいろあって、そのうえ、「ポテトサラダ」なんて、ワンコインでもお釣りがくるお値段なの。 (もしかして、業務スーパーとかに売ってるヤツなのかもしれないけど、そんなの別にいいじゃん?)

や~、いいお店発見したかも。きっとまた来る。 そんなこと思いながら、ご機嫌で友人と語り合ってたときです。 いきなり、後方で「ドン‼」とものすごい音がしました。

誰かがドリンクのグラスでも落としちゃったみたい。 一瞬、周りの人たちの会話もピタリと止まりましたが、まあ、私たちがそれくらいのことでひるむわけがなく、何事もなかったようにまた会話を再開していました。

しかし、ふと気づいたら、私の真後ろでスタッフが、なにやらごそごそ無言で、床にばらまかれた大量の氷を片付けているではありませんか。

お?

おおう??

見れば当然、床はびしょ濡れよね。

おおん??

この規模なら、もしや落したのは、グラスではなくピッチャーか?

ちょっと嫌な予感がして、そぉぉっと、私の椅子の背に掛けているボアコートを触ってみた。(何度も言うけどお気に入りのやつね)

……。

濡れてるやん。 アタシのお気に入りが、濡れてるやん。

ってか、びっしょり濡れてるやん??

やだ~、コート濡れてるやん、と思いながら、手元のおしぼりで拭き拭きしていたら、それに気づいた他の男性スタッフのお一人が(店長さんかも)タオルを持ってきてくれました。

「大丈夫ですか?」ときかれたから、もちろん「大丈夫ですよ‼」と答えましたよね。 まあ、言うても化繊のコートだし、拭けば問題ないと思ったし、それくらい大したことじゃないと思った。

でもね、実は、帰る間際に気づいちゃったの。 バッグも濡れてたの。 これはちょっとショックだった。

え、ちょっと待って!? あぶねえあぶねえっ! もしもこれが、大事にしているFerragamoのベビーピンクのナッパ素材のバッグとかだったら、私、泣いてたかも。

おおお、怖ぇぇ~!

もし、一軒目のお食事が高級なフレンチとかイタリアンだったら、私、絶対濡らしたくないようなバッグで出かけてたよね。

もちろん、どんな高級なお店でも、万が一のトラブルが絶対に起きないとは言えない。 なにしろ私、意外とこういうハプニングに当たる確率持ってるんだよね。

でも、たしかに高級店なら、先にコートを預かってくれることが多いし、お店の方も、お皿やグラスの取り扱いには細心の注意を払っておられる。

ホントはね、あのボアコートを買ったお店は、日本にはないの。 だから海外でしか買えないコートなのよね……。

それにね、バッグがちょっと濡れたことよりも、お気に入りのボアが濡れたことよりも、一番「あぁ、残念だな」って思っちゃったのは、やっぱりお店の方の対応だよね。

友人からも翌日、「帰り際も一言もなかったね、残念なお店だったね」ってメッセージがきたとおり、その後のフォローや、お店を出る時の「先ほどは失礼いたしました」という一言があるかないかって、大事なことだよね。

もちろん、タオルを貸してくれたのはありがたかったけれど、その「たった一言の真心」があるだけで、「気にせずまた行こう」って思えるお店になったのにな。

結局、高いお店のお値段が高いのは、食材の質だけじゃないよね。 そこで過ごす時間の「安心」や、何かあった時の「誠実さ」という、目に見えない「心」のサービス料が含まれてるってことかしら。

お店の方のプライドって、そういうホスピタリティにこそ、顕著に表れるという気がする。

「安かろう悪かろう」という言葉があるけれど、それは価格のことじゃなくて、そこで働く人の「心の価格」も含まれているってことだ。

お水がかかったのは、今年一年の厄落とし。 

私自身は少しも高級な人ではないけれど、私と関わって下さる方々に対しては、とびきり高級な関わり方をしたいなって思った。 

大切に、丁寧に、誠実な気持ちで接したい。あたたかな対応と、優しさをを大切にできる人でいよう。

そんなことを誓った年末の夜でした。

この日、一緒にたくさんお喋りして、笑って、楽しい時間を共有してくれた友人にも、心から感謝です。

うきわの絵を描いていただきました♡

クリスマスカードと、ギフトと一緒に、さりげなく入れてくださっていたの。

もう、すごく嬉しくて、さっそくフォトフレームに入れました。 一日のうちに、何度も何度も眺めています。

小樽のItaeyaさま、有難うございます。 あなたの描く優しい世界が、私は大好きです✨

今日もご覧下さってありがとうございます。
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