ウワサ話し

笑いのアップデート

数日前、起き抜けに流し読みしていたネットニュースで、お笑いタレントの有吉弘行さんが、SNSで炎上しているらしいことを知りました。

有吉さんといえば、私の中では”再ブレイク”を果たした人、”毒舌”を芸風にしている人、アナウンサーの夏目三久さんと結婚した人、最近はお笑いよりMCやってる人、というイメージ。

あくまで、テレビをほとんど観ない私の観点なんだけど、こんな感じで合ってるかしら?

どうやら、バラエティ番組で、女優の野呂佳代さんって方に対して「もっと食べられるだろ?」などと、体型に絡めた“いじり”を連発したのが原因のようです。

恥ずかしながら、私は、野呂佳代さんという方のお名前を初めて知ったのですが、写真を拝見すると、とても可愛らしい雰囲気の女性なんですね。 そしてこの方、元AKBでいらっしゃるのですね!

こういうタイプの方が、いわゆる“ぽっちゃり系”と表現されるのかな、という気がしますが、溌剌とした明るさに溢れた、とても可愛いらしい方です。

この方が体型をいじられるのか・・・いや、それむしろ、一般的な女性タレントさんたちがあまりに細すぎて、「これが標準」という感覚を、私たちは刷り込まれているんじゃ? 

なんか、細さ・太さの規格の目安に、そもそも問題があるのでは?という気がするんだけど。

それ以前に、ぽっちゃりだろうが、スレンダーだろうが、どんな体型であれ、その人の魅力で活躍されているわけなので、いろんなタイプの方が活躍して、それでいいじゃないか。 だから、あえて体型にフォーカスしなくても、って私は思うのだけど・・・。

でも、容姿いじりにしても、体型いじりにしても、今回の「すでに時代遅れ」という意見が多く出ているらしい、この現代社会のホワイトさ加減に、私は拍手を送りたくなったよ。

よくよく考えてみると、こういうことが時代遅れなのは“今になって”という話ではなくて、本当は昔からずっと不快に感じていた人はいたはずなんだけど、もしかして昔は、あえて“笑ってスルーする”ことを強いられていた、という面もあったのかもしれませんよね。

そういえば、コロナ禍に急逝なさった、あのお笑い会の大御所志村けんさんは、実は人柄がとても優しくて、周囲への心配りが、とてつもなく素晴らしい人だったと、たくさんの逸話が残っている方ですよね。

そんな方でさえ大昔には、女優の宮崎美子さんに対して、強烈な体型いじりをネタをしていたことがあったなあ・・・と。

私と年齢が前後する時代の方なら、かつての志村さんの元ネタとなったあるCMの映像を、「今の君は、ピカピカに光って〜♪」という音楽と共に、思い出されたのではないかと思うのだけど。

木陰で、はにかんだ笑顔を見せながら水着に着替える宮崎美子さんの、ナチュラルでキュートな魅力が、当時の日本の男性達を、すっかり虜にしたという、すご〜く話題になったCMなんですが、なんとあの糸井重里氏の作品だったのね。

とはいえ、きっと知らない方も多いと思うので、ちゃんと動画を見つけましたよ。 貼っておきます。

古い映像ながら、宮崎美子さんの、このフレッシュな眩しさ、かわいらしさといったら・・・本当にピカピカに光って見えます✨

それでも45年前にはゴールデンタイムで、お腹周りを思いっきり”笑いのネタ”にされて、まさに公開処刑みたいなことをされていたのかと思うと、当時の時代の残酷さに震える・・・。

このウエスト周りの、一体どこに文句のつけようがあるのだ!?と、ちょっとした憤りすら感じるけどね。

そのおかげで、当時のお調子者の小学生男子なんかが、こぞって志村さんを真似してたわけですよ。 

で、かつて、少年だったころに、この時代のテレビに必死で齧り付いていた年代の芸人さん方にとっては、未だに他人の体型をイジるのは面白いことだという”すり込み”を受けている、ということなのかもしれません。

そう思うと、昭和の時代のテレビって恐ろしいわね。

確かこの頃は、まだ学生でいらしたはずの宮崎さんは、志村さんにこんなネタにされても、おそらく笑顔で受け流すしかなかった、ってことですよね。

時代とはいえ、「よく耐えていたなあ」と思います。

結局、いじられた側が笑ってみせなければ番組が成立しない、そんな空気が長いこと“当たり前”としてまかり通っていたということなのでしょうよね。

ところで、以前から私がとても苦手に感じている言葉の一つに、この「いじる」という表現があるんですね。

相手をからかったり、下げておもしろがるようなニュアンスは、私はけして面白いとは感じないし、むしろ卑怯なやり口だなあとすら感じるのですよ。

そもそも「いじる」って、なんなのさ。 単に“上から目線”のその行為は、”いじめ”とどう違うのだろうか、と思っちゃうんです。

「いじられて笑いになる」という言葉の裏には、「相手の人格や尊厳は、ちょっとくらい踏みにじってもOK」という許可証が潜んでいるように思えてならないのですけど。

確かに、芸人さんや、タレントさん達の中には、”いじられる”という形でスポットを当ててもらえるという存在の方がいらっしゃるのかもしれない。

でもね、笑いに誰かを傷つけてまで成立させる必要があるのかしらって、思っちゃうんだよね、私は。

これが一般社会の中だったら、誰かが「笑ってくれているから成立している」のではなく、実は周りも、その場の空気を悪くしないように、別に面白くなくても面白いふりをして我慢しているだけなのかもしれないよ?

それで、「ウケた」と思って喜んでる人なんて、なんかイタい人だなあって気がするんですけど。

女性の体型いじりをして、炎上しちゃった有吉さんは、もともと”毒舌”がウリの方なだけに、仕事として番組のための発言だったのかもしれないけど、それを不快に感じた人たちがいて、ちゃんと声を上げてくれたということです。

令和のこの時代、私たちが選ぶ”笑いの基準”が少し変わってきているとするならば、それはとても良い傾向じゃないかしら、って思いました。

これから先、誰かを下げなくても、お腹を抱えて笑えるようなテーマを提供できる人こそが、真のお笑い王者なのでは?なんて思うんだよね、アタクシは。

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