ワイングラスを手にとり、最初の一口をお飲みになるまでのしぐさの、ほんの短い流れを拝見しただけで、その方がワインをお好きな方なのか、そしてマナーを心得ていらっしゃる方なのかはある程度わかってしまうものです。 と言うよりむしろ、一目瞭然・・・と申し上げた方がよいかも
私はワインのウンチクを語れるほどに、ワインには詳しくありませんし、けしてツウではございませんが、客観的に見ていて、ワインがお好きな方や、飲み慣れていらっしゃる方というのは、ワイングラスに注がれたワインを手にとり、最初に口に含むまでの一連の動作の流れがすっかり自然な感じに身についていらっしゃるように思えます。 「堂に入っている」というのでしょうか
ワインは、よく「目」→「鼻」→「舌」の順に味わいを楽しむ、といわれているように、グラスに注がれたワインは、まず最初に「色を眺める」ことが、いわゆる「お約束」です(笑)
正式には、白いテーブルクロスを背景に利用して、色を確かめたり、変色や濁りなどを確かめて、更に光にかざしたりなんかして眺めるものらしいです なるほど、そういう理由もあって、フレンチレストランのテーブルクロスって、たいてい真っ白なんですね。 もちろん、主役のお料理引き立たせたり、清潔さを表現する意味合いも兼ねているのだと思うのですが
続いて、「香りを確かめる」 すなわちここで、例のグラスをくるくると回すしぐさをやるわけですね
そうやってワインを空気にふれさせることで、香りを引き出すのが目的なのだそうです
そしておもむろに、お顔のそばにグラスを近づけ、くんくんくん・・・
そして最後に、いよいよ少量を口に含みます 一般的にはよく、「舌全体でワインをころがすように・・・」という表現がなされますよね
ここで、ワインの酸味や甘み、苦味や渋みだけでなく、コクやバランス、そして、実際に口に含んだ時に口の中で広がる香を確かめるわけです
・・・というのが、いわゆるワインを飲む時のお作法であるようなのですが・・・ ワインの感想を述べたり評価をすることが目的の、ワインテイスティング会場ならまだしも、普段のお食事の席で、神妙な顔をしながらいちいちこんなことをなさる方は、私の個人的な意見としては、あまり優美な方とはいえないような気がしてしまいます。
たとえ本当に「ツウ」でいらっしゃるとしても、テイスティングをして産地を当てたり、感想を述べるのが目的ではない場では、そんなことする必要はないと私は思うし、ましてやわざわざ口の中のワインを、歯磨き後のうがいみたいに、グズグズと音を立ててみせる必要もないんではなかろうかと・・・
私が、「ステキ
」と思わず見惚れてしまう方というのは、男性でも女性でも、その一連の流れを一瞬で、またたくまに終わらせてしまう方です
カッコイイ
ワインの飲み方を心得ていらっしゃる方って、たいてい、その他のいろんなマナーも心得ていらっしゃる方といえるのではないかしら、と私は思っているのですが、あらゆるジャンルのマナーを幅広く心得ている方って、やはり日常のふとした仕草がとてもエレガントだったり、どんな所作もがさりげなく美しいような気がするんです
ところで、ワイングラスの握り方なのですが、グラスの膨らんだ部分を持つのはあくまでNG ステムと呼ばれる、グラスの脚の部分を、3本の指でそっと持つのが正しい持ち方だと言われていますよね
そこで、グラスのふくらんだ部分を直接持ってはいけない理由というのが、一般的には手の温度がワインに移ってしまわないためといわれています。 でも実はその他にもわけがあります それは、せっかく美しく磨いてあるグラスを、指紋で汚しては失礼だから・・・という理由です
実は私は、この2番目の理由がとても気に入っているんですよ もちろん最適な温度で出してもらったワインを、不作法にも自分の体温で温めてしまうことも失礼です。 でもそれだけではなく、せっかくの美しいグラスを汚さないように・・・っていう思いやりって、何だかとても優しい配慮だと思うんですよね~
汚れたグラスに入ったワインは、きっと、とたんに美しく美味しそうには見えなくなってしまいます なので一緒にお食事をする周りの方にも、不快感を与えてしまうような気がします。 それに、何よりゲストの為にと、丁寧にグラスを磨き上げて、準備を整えてくれた方に対しても失礼ですよね
そう言えば、茶道でも、お茶席では指輪などのジュエリーは身に付けないのがお作法です 私はジュエリーの専門家と自負しておりますが(笑)だからこそ、お茶を頂く席では、つい指輪を外しわすれていた・・・なんていううっかりミスは、けしてしないように心がけています
お茶席にジュエリーがNGなのは、もちろんお茶碗やお茶道具を、金属で傷つけてしまうことがないように 失礼ながら、あまり高価なお茶碗ではないにしても、おもてなしを受ける側として、その配慮は最低限のマナーであり、相手に対する礼儀なわけです
そこで改めて思います・・・美しい所作や礼儀作法って、つまりは相手を思いやる、優しい気持ちの表現ってことではないのかしら・・・って
周りの人の立場や気持ちを理解しようという気持ちや心遣いが、すなわちマナーではないのかなって思うんです
今日は、午前中のうちにいろんな用を済ませて、午後からゆっくり美容室に行ってきました 「今年は、あと何回くらいお食事の予定があるんですか?
」
と、いつもお願している担当の美容師さんが、私にそんなことを尋ねながら、私に合った(簡単な(笑)・・・)ヘアアレンジのしかたを何通りか教えてくれました
お洒落することも、お会いする相手を尊び、礼をつくす意味でのマナーであると私は思っています さぁ、今年も残りあとわずか
毎日をエレガントに過ごして今年を締めくくりたいですよね
それではみなさん、どうぞ楽しい週末をお過ごしになりますように・・・
是非本日の応援もよろしくおねがいしま~す