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チップと心付け

久しぶりのブログ更新で「元気そうで安心しました!」というメッセージをいただきまして、感謝と共に「ご心配おかけして、すみませんでした!」と反省もしておる次第でございます💦

このような拙いブログでも、欠かさずお目通し下さっている方がいてくださる・・・本当にありがたいことです。

遅くなりましたが、吉日カレンダーのオーダー受け付けております❗️ どうぞお申し越しくださいませ‼️ お待ちしております✨

さてさて現在ホノルルに滞在中の、妹のBeBeのブログ更新をご覧くださった方は、BeBeが大事にしている三峯神社の眷属の山犬さんが”迷子”になっていた経緯を、優しく温かい目でお見守り下さっていたことかと存じます。

最近は、どこに行くにも一緒のこの山犬さん・・・と言っても、見る人が見れば、ただの”ぬいぐるみ”にしか見えない・・・(というか、ぬいぐるみなんですけどね)、でもこれが、BeBeにとってはあまりにも特別な存在なんですよ。

あ、もちろん私もBeBeからもらったので、1匹持ってますのよ。 三峯の小さな私の山犬さんと、うきわとの2ショットです。

三峯神社といえば、関東随一のパワースポットとも呼ばれているそうですが、行った人は人生が変わると言われている、なかなかに凄い場所だそう。

人を選ぶとも言われており、「人生が変わる」というのは、必ずしも人が期待する”良い意味”に変わるとは限らず、本人の望まぬ方向に事態が変わってゆくこともあるらしく、それは、ここはかつて修行者がとても厳しい鍛錬を積んでいた、特別な場所だからなのだそうです。

特に、我欲が先行している人に対しては、かなり厳しい現実を見せられることになるようで、いわゆる「神様にはじかれる」という結果を見せつけられると聞きます。 うむむ、清らかな気持ちで心して向かわねば、大変な目に遭う可能性もある場所だということですね。

今から1900年ほど昔のこと、日本武尊(やまとたけるのみこと)を道案内したというオオカミさんが、神さまのお遣いとして祀られており、今では三峯の信仰の中心になっています。

というわけで、三峯の眷属である山犬さんのぬいぐるみは、私にとっても、ただのぬいぐるみではありませんのですよ。

ですから、旅に出るときには、私も必ず連れて行きます。 この子が私のところに来てからは、セブはもちろん、ハワイ、台北、ソウル、家族で出かけた宮崎の旅にも、いつも一緒です。

特に海外のホテルでは、お部屋のお掃除に入ってくださるハウスキーパーさんへのチップが、風で飛ばされたりしないように、ペーパーウエイトとしての役割も果たしてくれているわけです。

BeBeに関しては、三峯の眷属さんがやってくる前は、随分長いこと「マルコ」という名前の小さなぬいぐるみの犬さんが、彼女の旅のお供でした。 

そして、マルコが現在の三峰犬に代替わりしてからも、チップの上に置いているこれらの”ぬいぐるみ”を「ギフトだと思った」と、持って帰ってしまったハウスキーパーさんは、この数十年の間、ただの一人も存在しなかったのだけど・・・まあ、無事に戻ってきてくれて、良かった良かったってわけです。

思えばセブに留学中も、私たちとハウスキーパーさんたちとの心を繋いでくれたのは、ベッドの上に置いているささやかな金額のチップではなく、このチャーミングな犬さんだったような気がします。

彼女たちも、毎回、私たち姉妹に優しいお手紙を残して下さっていました。 (読んで涙が出ました・・・✨)

私達が、欠かさずハウスキーパーさんにお礼をすることや、旅先でお世話になった方に必ずチップをお渡しすることが習慣づいていることには、祖母の影響が大きいかと思います。 

祖母は生前、お世話になる方には欠かさず「心づけ」を渡す人でした。

そういえば先日、BeBeがふと思い出したように言ったことで、ちょっと感動したことがありました。

昔し、祖母がBeBeに「心づけは、旅の安全のため厄落としの意味があるのよ」というようなことを、語ってきかせたことがあったのだそうです。

そうか「心づけ」は、祖母にとっての、大切なおまじないの意味があったのか・・・と、私はちょっと感動しちゃったんです。

「心づけ」という言葉を聞いたことはあっても、実際にそれがどんな意味を持つものなのか、日本人の私たちでもきちんと説明できる人って、案外少ないかもしれませんよね。

何か特別なサービスを受けたときとか、旅館に宿泊するときなどには、お世話になる中居さんに「どうぞよろしくお願いします」という気持ちを、そっと手渡すものなので、いわゆる「チップ」の日本語の言い方だと理解されている方が多いかと思います。

たしかに、「サービスを受けた人が、追加でお金を渡す」という点で、チップと心づけは似ているように思えます。

ですが、決して“支払い”でも、“見返り”でもなく、私のイメージでの「心づけ」というのは、「チップ」よりもっと静かな、優しさのこもったやり取りです。

チップは基本的に、受けたサービスに対する評価というものですから、「よいサービスだった」「気が利いていた」など、「あなたが私にしてくれたことが期待以上のものだったから、その“出来栄え”に対して、報酬を上乗せしますね」、というのがチップだという感じに私は理解しているんですね。

一方で、心づけは、あくまでも相手を評価するためのものではないんです。

「あなたを採点しています」ではなく、「あなたという人に、敬意を払っています」というイメージに近いもの。

そこにあるのは、上下ではなく、人と人とのあいだに結ばれる、対等で静かな「礼」です。

つまり、チップは「評価」で、心づけは「敬意」という感じ。

私にとっての「心づけ」は、金額の大小ではなく、「この方と、気持ちよくご縁を結びたい」という意味の”気持ち”なんです。

ですから「心づけ」は、声高に渡すものでもなければ、義務として差し出すものでもなく、あくまで控えめに、さりげなく、そっと手渡すもの。

そこにあるのは日本人らしい美意識であるという気がします。

最近、祖母にとっての心づけは”旅のお守り”の意味合いがあったのだ、という話をBeBeから聞かされたときに、「ああ、本当にあの人らしいな」と、改めて祖母に対してのリスペクトの気持ちが湧き上がったのと同時に、何だか心が清々しくなりました。

祖母は、必ず心づけ用意している人で、手渡すその仕草がまた、とても美しい人でした。

特に、旅先や外出先で、欠かさずに、さっと心づけを渡していましたっけ。

誰かに心づけを渡すことで、その場の空気が和らぎ、良いエネルギーが流れる。 

そして、そこには難を避けるという“結界”のようなものが張られる。

それによって、トラブルを避け、嫌な出来事に巻き込まれにくくなるのだと、つまり、祖母がBeBeに話したことは、そういう意味合いのことなんだと、自然と合点がゆきました。

すでに直接、祖母の口からはそんな話を聞くことはできないというのに、不思議と祖母の思いというのはちゃんと伝わってくるものなのですね・・・。

それは、けして「厄を誰かに押し付ける」という意味合いの行為ではなくて、「良い気を循環させる」ための知恵。 これは我が家に代々伝わっている、大切な厄除けの所作の一つでもあるのだという気がしたのです。

心づけというと、「良い人に見られたい」とか、「徳を積みたい」というような、もしかすると、そんな打算的なイメージを持つ人もいるかもしれないのですが、でも、祖母の姿から私が思い出すのは、けして自分を大きく見せるためのものではなくて、
「お世話になります、ありがとうございます」
「このご縁に敬意を払います」
という、謙虚な姿勢。

心づけを渡すことで、本人の心も整っていくという思いが、きっと、祖母の中にあったのではないかしら。

祖母は本当に、いつもきちんとした人でした。 出かける前には、より一層、きちんと身なりを整える人だったのですが、そんな祖母にとっての「心づけは、「運の身だしなみ」だったのかもしれません。

確かに、現代では、「心づけ」を渡す機会も、その習慣自体も、ずいぶん少なくなりました。

でも、「人と人との間に、あたたかな余白をつくる」という意味では、心づけの精神は、今の時代にこそ必要なのではないかと感じます。

お金そのものではなく、そこに込められた気遣いと、外出先での安全を願う気持ち。

それは、形を変えても、これから先も、受け継がれていってほしい日本の美しい所作であると私は思うのですよね。

どちらも「礼」ではあるけれど、チップは「結果」、心づけは「ご縁」。

チップは、多くの場合、サービスを受けた“あと”に「ありがとう」の言葉に添えて渡すものですが、心づけは、始まりの前、あるいは途中で渡されることも多いものです。

「これから、どうぞよろしくお願いします」の言葉に添えて、「この場で過ごす時間が無事でありますように」の祈りと願いが込められている。

いわば、「予祝」の意味合いもあるものなのだと、ふと今、気づきました。

今日は、祖母の命日です。

あの日は、大雪で、本当に寒い日でした。

おばあちゃん、あなたの想いを、私たち姉妹はちゃんと受け継いていますよ。

セブでハウスキーパーさんたちに残してきたチップは、クリスマスカードと一緒に、クリスマスのギフトを添えました。

先生へのお手紙とギフト、きっとデスクに飾ってくれてると思う。

今日もご覧下さってありがとうございます。
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