禅語には、「八風吹不動」という言葉があるのだそうです。
「八風吹けども動ぜず」、つまり八つの風が吹いても動じないということなのですが、八つの風って一体何かというと・・・。
仏教では、人の心を迷わしたり揺らがすのが、八種類の風だと言われているそう。
それが「利衰毀誉称譏苦楽」の八つの風。
利（り）利益
衰（すい）は、損失
毀（き）は、陰口
誉（よ）は、名誉
称（しょう）は、賞賛
譏（き）は、誹謗中傷
苦（く）は、心身の苦痛
楽（らく）は、快楽
なるほど、どの風が吹いてきても、心が浮かれたり、揺らいだりしそうですから、とても平常心で淡々と受けとめるというわけにはいかなさそう。
たしかに人間は、生きていれば順風の時も、逆風の時もあるものです。
禅宗の曹洞宗のお坊さんのお話によると、この教えは、どんなことがあっても心が動じてはいけないという意味ではないようです。
嬉しければしっかりと喜びを感じ、悲しければ、その悲しみを感じて、受け止めること。
怒りも落胆も、これらのどのような感情も、しっかりと受け止め、認めたうえで、自分の心をきちんと平常に戻すことが大切なのだ、という意味であるようです。
心の中心に、穏やかで安定した芯をしっかりと持っておくということなのですね。
たとえどんな風が吹いてきて心が揺らいだとしても、必ず心の真ん中の場所に戻ることが大切なんだよ、ということのようです。
追い風の時にも、向かい風の時にも、その風をしっかりと受け止め、自分の力を信じて迷わずまっすぐに進みたい。
がんばれ、あたし。
暮れにいただいた啓翁桜が、今年も見事に満開になりました。
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