「この人って、なんかネガティブだなぁ」と思えて、できるだけ関わりたくないなと思えるタイプの方の特徴として、頭文字「D」の言葉を、頻繁にお使いになる方が多い気がするんですよね。
『でも』『だけど』『だって』
ほかにも、『どうせ』というのも定番のセリフです。 「どうせ、私なんて・・・」 「どうせ無理・・・」とかね。
そんな人には、こちらが何を言っても、「でもでもだって」という言葉が延々と返ってきます。
やがて周りからは、「こんなかまちょな甘ちゃんは、面倒だから関わりたくないな」と思われて、だんだんと距離を置かれることになってしまうんです。
そんな「でもでもだってちゃん」について語る2日目の本日は、心理学的な面から、ちょっと真面目なお話をしたいと思います。
そもそも、「でも・だって」が多い人って、周りに「かまってちゃん」とか、「幼稚な人」という印象を与えがちだと思うんです。
実は、実際に、でもでもだってちゃんは、親から何でもやってもらって育った人や、過干渉な親に育てられたという方が多いみたいなんですよ。
子供の頃から、本人の意思とは関係なく、親が何でも先回りして決めてしまったり、何でも親がやってくれるので、自分で考えて行動する機会を与えてもらえなかった人。
特に、親が「自分の考えが絶対的に正しい」と信じ込んでいるタイプだった場合、子供の意見などは、たいていスルーされちゃいます。
やりたいことがあっても「どうせ」やらせてもらえないのが当たり前。
何事も親まかせの状態ですから、小さなころから、いわゆる思考停止状態で育ってしまうことになるようです。
そういう育ち方をした人は、「自分の意見は重要ではない」と思い込んでしまうのだそうです。
でもでもだってちゃんが「自己肯定感が低い人」だと言われる理由は、どうやらここにありそうです。
なにしろ、親から自己肯定感を高めないように、矯正されているようなものですからね…。
自分の意見自体に「そもそも価値がない」と思い込んでいるがために、自分がいつも「でもでもだって」を言い続けて、周りにいかに不快な思いをさせているかということにも、気づかないのかもしれません。
だって、「自分の言葉には価値なんてない」のだから。
残念なことですが、そこそこ大人になっても、そのことに気づかず、いつも「でも」「だって」を言い続けている人は、自分ではけして物事を決断することができないばかりか、自分の行動に、自分で責任を持つという意識が育っていないのかも。
東洋医学では、子供は母親のお腹の中にいる時から、母親と「気の流れ」を共有しているという発想があるようです。
その状態は、生まれた後も、しばらく続いている、と考えられています。
例えば、母親の気持ちが不安定な時には、赤ちゃんも情緒が不安定になりがちだったり…。
お母さんが焦ったり、慌てている時に限って、赤ちゃんが大泣きしちゃって、余計にお母さんがパニックになるとか…。
母と子は、出産直後に体は2つに分かれても、「気」(つまり、エネルギー)は共有していて、ある意味一心同体な状態。
子供はやがて、心と体が成長し、すこしずつ自我が芽生えてきた頃に、いわゆる「イヤイヤ期」の到来ですよね。
これは、親とのつながりの、確認の意味もあるのではなかろうか・・・と、私は思っているんです。
何故なら、東洋医学では、この時期にはまだ、母親と子供は「気」を共有していると考えられているらしいので。
いよいよ、完全に母親との「気」のつながりを外し、心身共に独り立ちとなる時期が、おそらく、思春期に起こる反抗期のタイミングあたりではなかろうか、と思うのです。
ところが、親がやたら過干渉であったり、絶対的に「私に従いなさい‼」というタイプの母親であった場合、切り離しのタイミングを逃してしまうのかもしれません。
そう考えると、親から「自己肯定感」の芽を摘まれ、自分の意見は重要ではないと思い込まされ、自立心を育む機会を極端に抑え込まれた、でもでもだってちゃんは、気の毒な大人といえるかと思うのです。
ただ、やはりそれも、人の成長段階において、思春期の頃までです。
そこからは、心身共にしっかりと成長して、いくら過干渉の親が、子供に干渉してこようとも、いくら過保護の親が、子供に手取り足取り、世話を焼こうとまとわりついてこようとも、自分の考えに責任をもって、自分で決断し、行動するという意思を持たねばなりません。
でもでもだってちゃんに欠けているのは、自分の決断に自信を持つということ。
そして、自分で決断して行動するということ。
いつまでも、人から正しいものを与えられないと、不安になってしまうようではいけないのです。
でもでもだって、大人の社会で、与えられるのを待ち続けているなんて無理ですよ。
人間は、生きていくうえでは常に、何かを選択し、決断し、行動をし続けなければなりません。
「でもでもだって・・・」と言い続けている以上、物事は確実に停滞し、「でもでもだって」の無限ループにハマります。
それでは確実に、幸せには近寄れないのです
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