開運

サビエル記念聖堂

山口県にあるサビエル記念聖堂は、山口市街の静かな丘の上の上に建つ、とてもモダンな建築物です。

この聖堂の正面に立つと、尖った傾斜の真っ白な建物と、天に向けて聳える立派な2つの塔のインパクトに圧倒されます。

フランシスコ・ザビエルといえば、日本に最初にキリスト教を伝えた人として有名ですね。

学校で、真面目に歴史のお勉強をした私たちなら、胸の前で両手をピラピラとクロスさせ(実際にピラピラさせているのかどうかは知らんけど)、頭のてっぺんをまぁるく剃ったヘアスタイルの、聖フランシスコ・ザビエルのお姿が思い浮かびますね。

試験に出るやつ。

昔し、通学途中に、サラリーマンのおじさん達の中に、似たヘアスタイルの人を見かけることがあると、両手ピラピラが思い浮かびましたっけ(懺悔案件・・・)

いや、そういうことはどうでもいいのです。

余談ですが、あのヘアスタイルは「トンスラ」といって、カトリックの聖職者が、イエス・キリストの着けた荊の冠を模したものだそうだけど、私の曇った心の目には、ただの罰ゲームにしか思えない。

そういえば、世界的に話題になった「SHOGUN 将軍」に登場したポルトガル宣教師も、トンスラしてたよね。

いやだから、トンスラはもういいって。

宣教師フランシスコ・ザビエルの話しです。 

ザビエルは、鹿児島に上陸したのち、長崎の平戸などを巡った後、三度訪れた山口県で、大内義隆によって布教を許され、当時、廃寺になっていた大道寺を布教所として与えられました。

ここが、日本で最初のキリスト教教会で、ザビエルがクリスマスのミサを行ったことから、山口は、日本で最初にクリスマスが伝えられたという記念の地となりました。 1552年のことだそうです。

当時、「娑毘惠婁」と記されていた彼の名前を、山口の人たちは今でも「ザビエル」ではなく「サビエル」と呼びます。 それは、どうやらイタリア語読みに近い発音のようです。

だから記念聖堂の名称も「サビエル記念聖堂」なんですね。

私は子供の頃に、家族でここを訪れたことがあるので、この丘にやってくるのは人生で2度目。

実は、前回来た時には、この聖堂はそれはそれは素晴らしい、クラシックな建物の教会だったのです。

初代の聖堂は、ザビエル布教活動400年を記念して、1952年に建てられたもので、スペインとフランスにまたがるナバラというところにある、ザビエルの生家のお城を模したデザインだったのだそう。

ザビエルは、確かバスク人で貴族の出の人だったと思いますが、子供だった私は「すご〜い!ザビエルってお城の王子様だったんだ・・・!」と、思ったのを覚えています。 

尖った2つの屋根が、天を指すようにまっすぐに伸びている、ため息が出るほど神々しい、それはそれは美しい建物でした。

聖堂の中に入ると、息を呑むほどに美しいステンドグラスが、鮮やかな光を反射させて輝いていて、とても神聖な気持ちになりました。

ステンドグラスには、サビエルの生涯が物語として描かれているのだと、父が説明してくれました。

あの荘厳な情景を、私は今でも忘れることができません。

見上げると、そこにはとても大きくて立派なパイプオルガンがありました。 それは、1900年にスペインで製作されたもので、当時、スペインで製作された楽器としては、唯一日本に存在するという、大変貴重なものだったようです。

本当に惜しいことに、その美しい聖堂は、1991年に、火災によって完全に消失してしまったのでした。 

ちょうどテレビのニュースで、炎に包まれた教会の消化活動が報道されているのを見て、ものすごいショックを受けたのを覚えています。

その後、聖堂は募金活動などを通じ、数年かけて再建されました。 そして、1998年に全く違うタイプのモダンなデザインに生まれ変わり、それが今回、私たち姉妹が拝見した現在の聖堂です。

この教会の象徴ともいえるステンドガラスは、このような現代的なデザインになっていました。

もうひとつの象徴といえる、パイプオルガンは・・・。 

ちゃんとあるのかな?と思って、天井の方を見上げたら、すっかり新しくなったパイプオルガンがありました。 こちらもまた、とても近未来的な雰囲気ですね。

それにしても・・・。

あの時に、「またいつか来たいな!」と思った、あの美しい聖堂の姿を、2度とこの目で見ることができなくなるとは、子供だった私は、まさか思いもしませんでした。

一期一会、と言う言葉が、私はとても好きなのだけど、旅で出会う景色も感動も、まさにそう。 

そう思えば、言葉の意味通り、人生の一瞬一瞬の全てが、一期一会なのだと思います。 同じ瞬間は、2度と体験することができない。

前回訪れた時に、父が記念に買ってくれた、当時のあのパイプオルガンの演奏が収録されたLPレコードです。 

クリスマス・コンサート【FOR AUDIOPHILE】

雪景色の中のサビエル記念聖堂のレコードジャケットは、まるで西洋の美しい景色のようにも見えます。

レコードに針を落とすと、はじめに厳かに、サビエル記念聖堂の鐘の音が聞こえてきますよ。 

当時のサビエル記念聖堂の、専属パイプオルガニストでいらした、諏訪美奈子さんという方による、クリスマスコンサートのレコードで、演奏されている曲はバッハなど、全て教会音楽です。

当時、自宅に2つか3つあったレコードプレーヤーは、随分前にいずれも処分してしまいましたから、今のところ、すぐに音を聞くことができないのだけど、今も宝物として大切に保管しています。

すっかり様子が変わってしまったけれど、ここにまた来られて、すごく嬉しかった。

「またおいで!」と言ってくれる人がいてくれることも、とても幸せです。 感謝✨

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