開運

南無釈迦牟尼仏

年齢を重ねるごとに、旅で得られる感動の、質や価値感は随分と変わってくるものだということを、しみじみ感じます。

ずっと以前は、旅には新鮮な感動や驚きと共に、またいつか来たいとか、次は誰と一緒に来たいと思う、明るい未来へ直結した期待感がありました。

ところが、年齢を重ねるにつれ、漠然と「またいつか来よう」と、ゆったりと構えていては、将来の時間のゆとりが無くなってきます。

そのうえ、今度来た時はこの景色を一緒に見たいと思う人、あるいは、過去に同じ景色を一緒に見た人は、残念なことにすでにこの世にはいない・・・ということもあったりするものです。

随分昔に訪れた場所を再訪してみたら、すっかりと様子が変わっていて、落胆するということもあれば、逆に、以前と変わらない景色が過去の思い出とリンクして、胸がいっぱいになるといった、若い頃には得られない、素敵な体験ができることもあります。

お陰様で今回、BeBeと二人で訪ねた山口県の旅では、過去からのあたたかなご縁と導きによって、優しさに包まれた素敵な時間を過ごすことができました。

瑠璃光寺の五重塔と素晴らしい庭園の景色です。

国宝である瑠璃光寺の美しい五重塔は、奈良の法隆寺五重塔、京都の醍醐寺五重塔と共に、日本の三名塔に数えられ、現代に残る室町時代の建造物の中でも、特に優れたものと評価されているそうです。

この五重塔は、1442年に完成したもので、室町時代に周防一帯を納めていた大内氏の当主義弘の菩提を弔うために、弟の大内盛見(はるもり)によって香積寺(こうしゃくじ)の境内に建立されました。
 
大内義弘は、応仁の乱で、あの金閣寺をたてた足利義満との戦いによって亡くなった方で、その霊を弔うために建てられたものだということですね。 

ちなみに、足利義満は、あの一休さんに出てくる将軍様ですね。 知ってる名前が出てくると、歴史はなんだかとっても楽しくなるよね。

大内氏が毛利氏によって滅ぼされた後、江戸時代の初めに香積寺は萩に移され、この地には瑠璃光寺が遷座しました。 元禄三年(1690)のことだそうですが、残念なことに、萩に引寺した香積寺はその後には廃寺となり、寺院そのものがなくなってしまったようです。

瑠璃光寺は曹洞宗のお寺です。 ちなみに、一休さんは臨済宗のお坊さん。 どちらも禅宗ですから、「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」を唱えます。

ちょいと話が脱線しそうになりました。 

瑠璃光寺は、元々安養寺として、大内教弘、政弘期に、重臣であった陶弘房の菩提を弔うため、夫人によって文明三年(1471)に創建されましたが、弘房の念持仏が薬師如来であったことから、明応元年(1492)に、瑠璃光寺と改名されたのだそうです。

長門の大寧寺、周防の龍文寺とともに、江戸時代末期に至るまで、西日本の僧録司を務めた名刹で、県内外には三十を超える末寺があり、これまでに多くの名僧を輩出してきた、長い歴史と共にある立派なお寺です。

ところで、萩に引寺した香積寺ですが、その後、毛利輝元によって解体され、居城のための建築資材とされてしまったという説があります。

しかも、あろうことか毛利輝元は、瑠璃光寺に残る五重塔すら解体しようとしていたらしいです。

その際、地元の人々が五重塔は壊さないでほしいと強く希望したことで、幸いにもその願いは聞き届けられたのだそうで、奉行所に宛てた地元の人たちの請願書が今も残っているのだそうです。 

いやいや、良かったよね・・・。

ついでに言うと、毛利輝元は、あの「三本の矢」で有名な毛利元就のお孫ちゃんにあたる人ね。 大内氏は、毛利元就によって滅亡したわけですが、知ってる名前が出てくると、歴史がとても身近に感じられるよね〜(しつこい)

なんという美しさでしょうか❗️ 高さは31.2m、近くで見上げると、その姿にさらに圧倒されます。

中には、僧形の大内義弘像と阿弥陀如来像が祀られており、通常であれば仏舎利が納められているはずのこの塔の下には、大内義弘の柩があるという口伝が残されているらしいです。

瑠璃光寺の立派な山門には「保寧山」の扁額が掲げられています。

私たち姉妹の家の宗派は代々、曹洞宗なのですが、家の慶弔祭事は神道で行うことに決められているため、お彼岸や法事などに頻繁に、お寺と関わる機会がないのです。

なので、こうして曹洞宗のお寺にお詣りすることは、なんだか余計に有難い気がします。

門をくぐったすぐ、右手に現れるのは石造りの五重塔。 実物の塔の約7分の1の大きだそうですが、それでも4mを超える高さです。 この中には、たくさんの方の写経が納められているそうです。

瑠璃光寺のご本尊は、瑠璃光如来とも呼ばれる薬師如来で、病気や怪我を治癒し、身心の健康を保つご利益があるとされています。

境内には、閻魔大王様と後生車もあります。

閻魔大王に、生前の罪過を懺悔して、「南無釈迦牟尼仏、南無釈迦牟尼仏、南無釈迦牟尼仏」と唱えながら、後生車を回し、「世のため、人のために尽くします。 後世ですから極楽浄土へお導きください」とお願いします。 

車を一回廻すごとに、過去の罪が浄化されるのだそうですよ。

心に焼き付けておきたい、大切な思い出がまたひとつ増えました。

博多の自宅から、車を走らせて、ほんの2時間半ほどで訪れるこのできる、この素晴らしい場所に、また近いうち、ゆっくりとお邪魔したいと思いました。

必ず、きっと。

今回の旅でお目もじ叶った全ての方に、心から感謝を申し上げます。

今日もご覧下さってありがとうございます。
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