「僕の師匠の、サンちゃんの本です」
そう言って、ある殿方が私に一冊の本を手渡してくださったのは、数年前の年の瀬が近い、ある日のことでした。
それが、サン村田さんのご著書「僕には明日しかない」との出会いであり、私がサン村田さんの魅力を知るきっかけでした。
「ねえ、君は楽しくやっている?」と、軽妙な問いかけのコピーが載ったその本は、手に取った瞬間から、気持ちが上向きになる予感しかしませんでした。
ページを開くと、まるでスイングしてるみたいに軽快で、テンポの良い文章が溢れ出してきて、なんてリズミカルで、なんて音楽のような文章をお書きになる方なのだろう・・・と、感嘆と同時に、なんだろう、羨望に似た感情というのでしょうか、そんな気持ちが湧いてきました。
サン村田さんは、本名を村田豊三郎さんとおっしゃる、成城生まれのカナダ国籍の方。
たくさんの方に愛されていて、80歳を超えても、みんなから親しみ込めて「サンちゃん」と呼ばれている、イラストレーターであり、ジャズバイオリニストさんです。
本の帯にも、「成城のボンボン、無一文でカナダに出奔」と書かれている通り、カナダに住んでおられたサンちゃんは、数年前のある時、ふとしたことから縁もゆかりもない、九州の熊本の街をすっかりお気に召され、早速ここに住むことに決めちゃったという、そんな方です。
そもそも無一文でカナダに「出奔」だなんて、いかにもドラマティックなストーリーがありそうだけど、サンちゃんという方は、その時に吹いてきた風に迷わず乗っかって、いつもご自身の直感に従い、人生をまるで軽やかなステップを踏むようにして生きてこられたのでしょうね。
そんなサンちゃんは、あの、黒柳徹子さんのお母様の著書「チョッちゃんの私は心の花咲かバァバ」のイラストも手がけた方でもいらっしゃるそうです。
そして、YouTubeで拝見した彼の奏でるバイオリンの音色は、小粋でとても優しくて、彼のお人柄がそのまま伝わってくるようですよ。
ぜひ、お聴きになってみて。
つくづく、文字にしても、音楽にしても、絵にしても、生み出す人の人となりが、そのまま現れるものだなあと感じますよね。
アートディレクターやイラストレーターとして、かつて、とても多忙な日々を過ごしておられたなかで、サンちゃんは48歳の時に、命に関わるほどの大病をなさったのだそう。
幸いにして窮地を脱したときに、「本当の成功は感動する何かに向かって行動できること」だと気づいたのですって。
本当に素敵な言葉・・・✨ この優しくて力強い言葉の音色は、堪らなく胸に響きます。
そうして、そこからはご自身のお好きな絵と音楽を、ライフワークとして過ごしてこられたのですね。
サンちゃんは、そのお人柄と魅力で、大勢の方を虜にしてこられ、たくさんの方の心の中に、素敵な風を吹き込んでこられたのだと思います。
そのサンちゃんが、数日前に、あまりに突然旅立ってしまわれました。
彼の愛した熊本の、とても穏やかで静かな、小さな街の横断歩道で。 それはあまりに突然の事故でした。
私の人生の中で、「いつか」と思っていたことに対する後悔が、一つ増えました。
「サンちゃんの奏でるバイオリンのジャズを聴きたいな、いつか」
そう思っていたのです。
私は、いつか聴けると思っていたのです。 「いつか」なんて思わずに、聴きに行けばよかったのに・・・。
サンちゃんのことを知るきっかけを作ってくださった、この本をプレゼントしてくださった殿方は、いつも私に何か新しいことを教えてくださいます。
サン村田さんという方の存在を教えてくださったり、昨年のクリスマスイブにはオンラインで、素敵なバイオリンの生演奏をプレゼントしてくださったり、そういえば、「予祝(ヨシュク)」という言葉の意味を教えてくださったのもこの方でした。
私に、いつも新風を送ってくださるので、彼のことを「Mr.新風」と呼ばせていただくけども、この方にとっては、師として仰いでいらしたサンちゃんこそが、新鮮で爽やかな風を、いつも送ってくれていた方だったことでしょう。
サンちゃんの突然の訃報は、あまりにもショックな出来事だったと思うのですが、これからは、師匠であるサンちゃんの教えをエバンジェリストしたいと思っていると言っておられました。
きっとサンちゃんは、彼のそんなお気持ちをとても喜んでくださり、きっとお空から、いつも応援してくださることでしょう。
サン村田さんの突然の旅立ちに、心よりお悔やみを申し上げます。 どうぞ安らかに。
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