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あなたの願いが通らなくても大丈夫な理由

日に日に秋が深まっていますね。

この季節になると、我が家の「眉刷毛万年青(まゆはけおもと)」が、とても可愛らしい花を咲かせます。

「まゆはけおもと」は、植物の種類的には「オモト」の仲間ではないようなのですが、このかわいい花が、あのメイキャップブラシの「眉の刷毛」に良く似ていることから、この名がついたようです。

ポワンとした形が本当に可愛らしくて、この花が咲くと、なんだか心が軽やかに弾むような気がします♬

もう、ずいぶんと前になりますが、母が親しくしていただいていた、ご近所の奥様から分けて頂いた一鉢。

この可愛らしい花を、父が気にたいそう入って、大切に育てたおかげで、今では20株近くに増えています。

その方が他界されてから、もうどれくらいになるでしょうか。 

母よりも、たしか一回り近く年齢が上だったその方は、とても知識が豊かな方で、料理のちょっとした工夫や家計の節約法、昔の方の知恵など、いろんなことを母に教えてくださったようでした。

母の母(つまり私たち姉妹の祖母)も、とても物知りな人で、何を尋ねても答えられないことがないというほど、たくさんの知識を持った人だったようなのです。

でも、母は結婚してからはずっと、実家からずいぶん離れた場所に住むこととなったため、日常のちょっとしたことを教えてくださるこの方のことを、とても頼りにしていたようでした。

ある休日の昼下がり、けたたましい救急車のサイレンの音に驚いて、母が玄関先に出てみると、その方のお家の前に救急車が停まっていて、すぐに警察の方たちもバタバタとやってきて、たいそう慌ただしいこととなったのだそうです。

翌日のお通夜には、私も仕事を終えてから急いで向かいました。 突然のことで、とてもショックだったことを覚えています。

息子さん夫婦と「同居」することに、とてもこだわっていらした方でした。

それは、「何かあったときに心配だから」という理由で。

その「何か」があったとき…。 

息子さんご夫婦は、休日だったので遠くにお出かけで、自宅にいたお孫さんたちは、部屋でテレビを見ていて、その方が玄関先で転んで頭を強打して倒れていることに気が付いたのは、すでに息を引き取られたあとでした。

「何が何でも、絶対に」と言えるほどに、息子さんご夫婦とのご同居は、その方にとっての「人生の中で譲れないこと」だったようでした。

息子さんのお嫁さんと一緒に、毎日お台所でお料理を作ったり、おしゃべりをしながら編み物やお裁縫をしたり、そんな穏やかで楽しい日常に、とても期待されていた方だったそうです。

ところが、最初に同居なさったご長男さんのお嫁さんは、どうやらたいそうわがままな方だったようで、何かと「同居してあげてるんだから」ということを盾にしていたようでした。

しかも、自宅の近くまで迎えに来る男性の車に乗り込み、遊びに出かけてゆく姿を、ご近所の方たちにしょっちゅう目撃されて、ひそかに心配する声があがるような、要するにあまり素行のきれいな方ではなかったようでした。

ご長男夫婦が離婚された後、やがてお仕事の都合で、ご長男さんも他県に住まわれることとなりました。

しかし、「どうしても息子と同居」にこだわられたことから、今度は、近くにお住まいだったご次男夫婦が、一緒に住むことになったのでした。

ご次男ご夫妻は、そのお家の敷地内にとても小さなプレハブの別棟を建てて、そこを隠居部屋としてお母様に住んでもらうことにされました。

同居と言っても住まう棟は別ということで、お互いのプライバシーを守ることが、生活を共にする条件だったのでしょう。

その、小さなプレハブのお家は、出入口が高い段差になっていて、ご高齢の女性にとっては、たいそうご不便があったのではないかと思います。

結局、その段差で転んだことで、その方は命を落とされることとなったのです。

「大きなお家なんだから、わざわざ別棟をたてなくても、あの家に一緒に住んでいたら亡くならずにすんだのに…。」母は、その方のお葬儀の後も、しばらくそう言っては悔しがっていました。

もちろん、あまりに想定外の事故だったわけですから、けして誰を責めることもできないことです。

不幸な事故とは大概、そういうものですよね。

でも、もしかして、その方がそれほどまでに息子さんと同居することにこだわらなければ、今頃まだ、一緒にお茶を飲みながら、世間話をしたり、いろんなことを教えてもらえただろうにと思うと、母にしてみると、あまりに残念でたまらなかったのだと思います。

人生では、自分の思い通りに物事が運ばないことはたくさんあります。 私もそんなご相談をたくさんいただきます。

私自身も、思い描いていた未来とは真逆となるような出来事が突然起きて、「不幸すぎる~‼」と嘆いたり、怒りや悲しみをどこに向けたらよいのかわからないということだってあります。 いや、ありますよ、ありまくりです(苦笑)

ですが、将来の自分にとって、それが本当に悪いことかどうかは、今の自分には計り知れないこと…。 後になってからでないと、わからないことってたくさんあるんですよね。 

人の希望的展開というものは、けしてすべてが将来の、自分の幸せにつながることばかりではありません。

ただ、誰でもが、自分がこれまで生きてきた中で想定できる範囲でものを考えます。 

そして、今起きていることが理想の流れと違えば、不幸だと判断してしまいがちです。 

でも、今の希望的展開というのは、しょせん、これまで自分が生きてきた中での経験値や、今の知識の範囲だけのものなのです。 

だから今、「こうなってほしい」と望んでいることのすべてが、将来の自分にとってすべて正しく、確実に幸せな結果につながるものではないと、私は思うのです。

「引き寄せの法則」では、人は思ったことを何でも引き寄せるということになっています。

念じれば叶う。 成功者とは、願うことを強く念じて、思い通りにすることだと唱えられています。

私は、引き寄せの法則に関しては、否定も肯定もしません。 

正確には、強く否定したい部分もありますが、事実として肯定すべき部分も多少はあるといったほうがいいでしょうか。

人の脳は、意識した情報だけを取り入れ、意識していない情報はスルーしてしまうということがわかっています。 

ということは、自分が意識しているものを「引き寄せたように思える」のは、脳のしくみとして当たり前のことなのです。

ですが、今の自分が望むものをすべて引き寄せることが、結果的に人にとって正しいことではありませんし、強く念じて思い通りになることのすべてが正解ではないのです。

毎年、まゆはけおもとの可憐な花が開くと、その出来事を思い出します。

ただ、あまりに可愛らしく楽し気に見えるこの花を見ると、不思議と心が癒される気がして、悲しみにとらわれてはいけないと思えるのです。

そんな気持ちにさせてくれるこの花を、形見として残してくださったその方に、私はとても感謝をしています。

最近知ったのですが、「まゆはけおもと」の花言葉は「富裕」

なんと縁起のよい言葉でしょうか。 満ち足りた豊かさを表すその言葉通り、この花を眺めると、イヤな出来事などにはいちいちとらわれず、心豊かに過ごしましょうという気持ちになるのです。

今日もご覧くださり、本当にありがとうございます。


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