ヌーハラって言葉を、今朝はじめて知りました。 「ヌードルハラスメント」って、今ちょっとした問題になってるんですってね。
日本人の、うどんや蕎麦、ラーメンなどの麺をすする音が、来日している外国人にとって「不快である」「精神的苦痛を与えられている」と(誰がそんな主張をしてるんだろ?)というのが、ヌードルハラスメントらしいです。
ほんの数日前、お仕事も兼ねたランチのお約束があって、指定されたカジュアルなイタリアンレストランでのこと。 カジュアルとはいえ、とてもおしゃれな感じのイタリアンで、ランチのお値段も、福岡の一般的なサラリーマンのお父さんたちが、月のおこずかいで毎日通うお昼の平均的な金額からすると、おそらく2~3倍はするのかなあ。
だって、吉野家さんの牛丼だと380円、定食でも、おおよそワンコインで結構ボリューミーなお膳が出てくるのでしょう? それからしたら、そのお店のデイリーランチは結構高い。
で、お店の中にはいかにも大手の企業をリタイヤしましたって風の、恰幅の良い白髪の紳士がお二人で、ゆったりとお食事なさっていたり、いかにもアパレル業界風な女性がお二人でお食事していたり、私の隣の席には、素敵なスーツ姿のわりとイケメンの、年の頃はというと、いわゆるアラサーって感じの男性が、お一人でお料理が届くのを待っていて、とにかく、お店の中にはとてもゆったりとした空気が流れていました。
私も、お連れの方に合わせて、結構高尚なお話をしながら、美味しくお食事をいただいておりましたらば、突然…‼
「ズズズ~~~‼‼ ズリズリズリ~~‼‼」と、不快極まりない騒音が…‼
反射的に音のする方をみたらば、音源はなんと、私の隣の席の、あの感じの良いスーツ姿の男性です。 体をお皿の上に乗り出して、フォークでパスタの麺をすくい上げては、そのまま豪快に音を立ててすする。 「そこまでかっ‼」 と言いたくなるほどにすさまじい音。
なんだかせっかくのお料理の味がしなくなってしまい、思わず「早く食べ終わってくれないかなぁ…。」と思ってしまったほどです。
これは完全なマナー違反。 外国はもちろん、この日本でも容認してもらえる範囲は超えてますね。
だけど、おいしそうに、おうどんやお蕎麦を音をたててすすりながら食べるというのは、これはある意味日本の文化的お作法です(笑)
私は、落語はまったく詳しくないんだけど、テレビなんかでたまに目にする古典落語の演目で、落語家さんが、たたんだ扇子をお箸に見立てて、器用にお蕎麦をすするしぐさをする、あのおいしそうな音の出し方は、あれはかなり熟練された芸だと思うんですよね、真似してみようたって、簡単にはいかないもの(笑)
うろ覚えだけど、たしか、その落語の中に、粋な江戸っ子はそばつゆに麺をどっぷりと浸しちゃいけねえ、ちょっとだけつけて、さっとすするんでい!みたいな演目があったような気がします。 オチは、いまわの際に「ああ、一度でいいから、蕎麦をたっぷりとつゆに浸して食いたかったなあ。」みたいなお話しだったような。
とにかく、日本のあのうどん、そばをすするという音は、あれは文化なんですよ(笑)
日本古来の文化には、ほかにも音を立ててすするのが決まりというお作法があります。 はい、「茶道」です。
茶道の正式なお作法では、「すい切り」と言って、いただくお抹茶を、最後に「ズッ‼」と豪快に音をたててすするという決まりがございます。 これはもちろん、女性でもですよ。
だからね~、小倉智昭キャスターがおっしゃったという、「日本の食文化に対して外国人にとやかく言われる筋合いはない。(嫌なら)入店するなって」というご意見には、私も賛成の一票を投じたい。
それにしても、小倉キャスターが、『おもてなしのためにすする音を控えようとの動きに、「おもてなしで、どんどん音をたててやる」とまくしたてた。』というのには、思わず吹き出してしまいました(笑)
それって、インドに行って現地の方たちが、直接手でカレーを食べているのをみて、「不快だ!スプーンを使え!」と意見するのと、同じだとおもうんだけどなあ…。 だって、あの方たちは、大昔からそうやってカレーという薬膳料理を右手で食べるということをお作法として、大切に命をつないできたんです。
ま、昔、学食で見かけたり、高速道路のサービスエリアの食堂なんかで見かけることがある、カレーを先にぐちゃぐちゃに混ぜてから食べるというマイルールを崩さない方は、正直、「せめて外で食べるときだけでも、周りの人にちょっと配慮するべきでは?」って、私は思ってしまうのですが。
だからと言って、韓国のビビンバをおもいっきりグッチャグッチャに混ぜちゃう「お作法」に関しては、一切意見する気はありませんし、私も郷に入れば郷に従えで、ゴーカイに混ぜて、さらにスプーンの背で石鍋に力いっぱい具材とご飯を押し付けてからいただきます(笑) だって、それが文化なのですもん。 そして、これがまた結構楽しい♬
使う食材や料理法だけでなく、食べ方も含めてがその土地特有のお料理だとおもうんだけどなあ。 手づかみで食べる、音をたててすすって食べる、ほかにも、一般的なマナーの常識からすると「ええ??」ってことがあるかもしれないけど、おそらくそれは、その土地の風土に合った理由もあったりするのではないかと思うんです。
これは、博多っ子の定番ヌードル、「ごぼうてんうどん」です。 このお店は、私のとってもお気に入り、深夜でもシメのおいしいおうどんが、日本酒とともに楽しめるという素敵なお店ですよ♬