久しぶりの台湾です。
妹のBeBeと鮑義忠先生は、毎月のように台湾へ通っていて、時には月に2度、3度と訪れることもあるほどですが、その間、たいてい私は2匹の犬たちと一緒に東京でお留守番。
ですから、私も一緒に台湾へやってきたのは、およそ一年半ぶりのことになります。
久しぶりに降り立った、大好きな台北の街。
そこかしこに、どこか不思議な懐かしさがあり、それでいて日本とはあきらかに違った、独特の異国の空気に包まれた街並み。
湿度を含んだ熱い風が、抱きしめるように身体にまとわりついてきます。
街路樹の濃い緑、見慣れない漢字が並ぶ看板、バイクの行き交う音、そして、あちらこちらから漂ってくる、台湾特有の食べものの香り。
「あぁ、そう、この感じ、この匂い・・・。」
前回の台湾は、私にとって、一生の宝物となる大切な思い出がいっぱい詰まったものとなりましたから、その記憶をひとつづつ取り出すように、あたりの景色を眺め、この街の空気を胸いっぱいに吸い込みます。
さて、情緒あふれる街並みの中でいただく台湾のローカルグルメはもちろん格別なのですが、実は、台北には思わず「こんな素敵なところがあるんだ⁉️」と嬉しくなるような、おしゃれなカフェがたくさんあるのです。
今回、そんな素敵なカフェのひとつに、鮑義忠先生が連れて行ってくれました。
少し早めのランチに訪れたのは、『8%ice CAFÉ』
ここは、公園を借景にした、とても心地よいロケーションで、大きなガジュマルをはじめとする木々の緑が目に入り、この一角だけ、街の喧騒を忘れるほど時間がゆっくりと流れているような、穏やかなエリアです。
店内に足を踏み入れると、カジュアルなインテリアなのにとても上品で、そのうえ肩肘張らない雰囲気。
とてもゆったりとくつろげて、心地いい。 絶妙なバランス感のあるこんな場所、ホントに大好きです。
旅先で見つけたこんな素敵な場所で過ごすひとときも、豊かな旅の記録のひとつとなりますよね。
そのうえ、このカフェはなんと、ピアノとヴァイオリンの生演奏を聴きながら、本格的なお料理をいただくことができるのです。
ランチをいただいているだけなのに、まるで小さなコンサートホールにいるみたいで、とても贅沢な時間・・・。
美しい音色を耳にしながら、目の前のお料理をゆっくりいただく。
日常の雑多なことを全て心の中から追い出して、美味しいものを味わいながら、素敵な音色に耳を傾け、目の前の景色を眺める。
そんなふうに、今、この空間に体を預けて、この場所で過ごしているそのことだけに、幸福感を感じるひととき。
とても幸せなランチタイムになりました。
ちなみに、こちらのお店は、お料理だけでなく、スイーツにもかなりこだわっていらっしゃるようで、横長のガラスケースの中に、ずらりと並んだ美しいケーキたちに、思わずため息が出ました。
なんと、デザートは、この中から好きなものをひとつ選べるのです。
これは嬉しすぎる。
嬉しいのだけれど、ものすごく困る。
どれも食べてみたい、どれも美しい。
さんざん迷った末に、私が選んだのは、「醋栗」と書かれたドーム型のケーキ。 「醋栗」とは、おそらく、カシスのことのようです。
ひと口いただいてみると、まず果実の酸味と香りが口の中いっぱいに広がり、そして、その酸味を全く邪魔しない、ほんのりとした優しい甘さ。
どうやらこのお店は、パティシエのお仕事にも本格的なこだわりを持っていらっしゃるらしい。
つくづく、パティシエというお仕事は、単に「甘いお菓子」を作る仕事ではないのだってことを実感します。 なんて繊細なお仕事なんでしょう。
こちらも、ケーキにフォークを差し込む加減にすら、思わず真剣になります。
果物の香りがきれいに立ち上がり、甘さがすっと引いていく。 その余韻を楽しみながら、再び幸福感にひたる。
久しぶりの台北で、贅沢で幸せなランチタイム。
美しい音楽と、緑の景色と、美味しいお料理。
観光名所を訪れることも、もちろん旅の醍醐味ではあるけれど、旅先での一皿一皿、そしてその時の会話や、流れてきた音楽の記憶は、あとになってとても鮮やかに蘇ってきて、特別な思い出になっていることに気づいたりするものです。
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