『うろ覚え』という言葉を、最近、SNS等で「うる覚え」と書いている人が、意外に多いらしい。
「うっそぉん、そんな人いる?」と思って、気をつけてみていたら、あらヤダ、本当に結構いらっしゃるのね。
「しつこい」のことを「ひつこい」と言うような方言的なものではなく、「うろ覚え」と言う言葉そのものをうろ覚えしていて、「うる覚え」と間違って使っている方が一定数いらっしゃるよう(ややこしくてごめん)、
あのぅ…、やかましい年寄りみたいで申し訳ないのですが、「うろ覚え」の「うろ」は、漢字では「空覚え」とか、「疎覚え」と書きますよ。
「記憶があいまいで、ぼんやりとしている」という意味で、木にできてる空洞のことを、「木のうろ(空・洞)」と言いますけども、それに由来するという説が有力みたい。
要するに、「うろ覚え」というのは、そこだけぽっかり抜けていて、不確かなんだけど…という感じを示しているんですね。
うる、ではなくて、うろですよ。
やーもうね、気になりだしたら、なんか気になって仕方ないのです。
さて、そんな私が「うろ覚え」で恐縮ですが、以前あるテレビ番組で、お笑い芸人さん達が語っていた「理想の彼女」の話題について、ふと思うことがありまして、今日はそれを語ってみたいのです。
なにしろ、うろ覚えなもので、誰が語っていたのかなどの詳細をはっきり記憶していないのですが、芸人さんがたが、ご自身の「理想の彼女」のシチュエーションを語るという内容だったように思います。
ある時、彼が、クローゼットの中から、見覚えのない箱を見つけるの。
何だろう?と思って開けようとすると、彼女が「それは見ないで!」と恥ずかしそうにするわけね。
開けてみると、その男性との記念の品が、すべてそこに保管されているのよね。
例えば、一緒に観た映画の半券、遊園地のチケット、一緒に食事したお店の箸袋・・・これまでのデートのありとあらゆる思い出の品の数々が、そこにすべて収められている。
要するに、一見何の価値のないような(人によってはゴミとして、その場で捨ててしまうような)ものを、自分との思い出として、彼女が大切に保管していたということに、彼は深く心を打たれる・・・というような内容です。 うろ覚えやけど。
へ〜、男の人って案外ロマンティストなんやな〜と、その時に思ったのです。
印象的だったのが、その話を聞いた他の芸人さんが、みなさんその話にすごく感動し、共感していたように思えたの。
そうですか、では私から一言申し上げるが、あなたのかつての「キュンです♡」は、やがて家を圧迫します。
まあね、そんな私も、どちらかと言えばかなりモノを捨てられない側の人間です。
今日も妹のBeBeから、「Macの空箱、もう要らないよね? 捨てるよ!」と言われて、「ああ、悲しい・・・」と思ってしまった。 空箱なのに。
だから、気持ちはわからないでもないけど。
あの芸人さん達が理想とするそんな彼女にとっては、初めてお揃いで買ったマグカップ、初めてお揃いで着たパジャマなんて、まさか捨てることなんてできないものに違いない。
結婚して、やがて家族が増えれば、赤ちゃんの手形、足形、初めて着た産着、初めて履かせたお靴。 初めて自分で握ったおもちゃ。 初めて立ち上がった時に履いていた靴下。
初めて描いてくれた「ママの顔」。 初めて自転車に乗れた時のヘルメット。 夏休みの工作の数々、たくさん丸をもらったテストの答案用紙。
それからそれから、お気に入りだったけど、すでに着られなくなったお洋服だとか、おもちゃに絵本の数々など・・・記念のアイテムや思い出のグッズは、これから人生のステージが進むごとに、家族の人数分だけ、どんどん増え続けることでしょう。
すべてに大事な思い出が詰まってるわけだから、当然、簡単に処分するわけにはいきませんものね。
その時、夫は外で愚痴をこぼすのです。
「うちに帰ったらさー、なんか余計な物で溢れかえっていて、家にいてもなんか落ち着かないんだよね。」
おいおい、かつてあなたがときめいた、愛おしい彼女の習性を、まさかそんなふうに言ったりはしないだろうね?
うろ覚えではなく、しっかりと覚えておいてね。 あなたが「落ち着けない」というその家は、かつてのあなたの「ときめき♡」でできています。
西向天神社の境内の御神木。 よく見たら、どこかに木の「うろ」がありそうです。
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