「海外には、人生のうちに、せめて一度だけでもいいから行ってみた方がいい」という言葉を、私も10代の頃から何かの折に耳にすることがありました。
日本から出ることによって「人生観が変わる」とか、「視野が広くなる」とか、「日本の良さを再確認できる」とか、理由はいろいろ挙げられているかと思います。
ちなみに、日本人のパスポート保有率は、現在、約17%なのだそう。
この数字、私にとってはちょっと意外に思えました。
というのも、日本人の半分程度の方は保有しているのかな、くらいに勝手に思っていたので、正直なところ「思ったより随分少ないんだ」と感じたんですよね。
私がこれまで渡航したことのある国を数えたら、全部で10ヵ国程度ですから、いろんな国を旅したことのある方からすると、とりわけ多いわけではないと思います。
私が渡航した中で、一番遠い場所はヨーロッパ。 一番近くの韓国に行った回数は、多分これまで50回くらいかな(もっとかも)。
なにしろ、福岡空港からだと、羽田よりも韓国の方が近いんです。
そんな私が思う「海外に行ってみた方がいい」というのは、決して「海外が日本より優れている」とか、「グローバルな人間にならなければ」という話ではありません。
ただ、日本では決して体験できないことを、見たり感じたりできるという、とてもシンプルな当たり前の理由です。
そして、帰国した時に、日本の良さや、有り難さをしみじみと感じることができるから。
つまり、私は日本という国が大好きだし、日本人に生まれて本当に幸せだと思っている人間なんですよね。
もちろん海外の国には、それぞれの特別な魅力があって、その国ならではの良さや、日本にはないもの、日本人には備わっていない発想があったりする。
そんなことに触れることができる体験って、この上なく貴重なものです。
今、私が滞在しているフィリピンのセブ島でも、日々の暮らしの中で感じることがたくさんあります。
たとえば、道を歩けばすれ違いざまに、笑顔を向けてくれる人の多さ。
食事をするお店でも、スーパーマーケットのレジでも、ふとした瞬間に、この国特有の明るい笑顔を向けられます。
それはこの国の、とても素敵な文化であり、この国の人々の、根っからの明るさを感じられる瞬間。
そして、海外にいるからこそ見えてくる「日本の良さ」も、同じようにたくさん感じるのです。
あえてはっきりと言葉で表現しなくても、相手を思いやれることや、気持ちを察する心遣い。控えめで、誠実で、几帳面で、静かな誇りを持つ民族である日本人の在り方を、あらためて愛おしく感じます。
ところで、最近、高市早苗首相の英語スピーチに対して、中傷的な意見を投稿している方をチラホラとお見受けするのだけど、 なぜ、日本の首相がネイティブな英語で喋らなければならないとお思いになるのか、逆に私はお尋ねしたい。
大切なのは、ネイティブ並みの発音で英語を話すことではなく、”日本の首相としての意見を、どのような言葉で伝えるか”だと思うので。
大切なのは、心を込めて伝えようとする姿勢じゃない?
海外に出てみると、「完璧な発音」よりも、言葉に込めた意味の方が大切で、「誠実に伝えようとする心」がどれほど尊ばれているかを実感します。
むしろ、相手の文化や言葉を尊重しながら、自分のアイデンティティを大切にして話す人こそ、世界で信頼され、愛される気がする。
多分、私がなりたいのは“英語を話せる日本人”というより、日本人としての誇りを持って、多くの人に伝わりやすい言語である「英語」が使える人ってことなのかも。
セブでの日々は、決して「特別な体験の連続」というわけではありません。
朝起きて、英語の授業を受けて、街を歩き、カフェで勉強し、週末には地元の人に愛されている有名な教会に出かけてみたりする。
ですが、そんな日常の中にも、たくさんの気づきがあるのですよ。
たとえば、レストランで注文とは違ったものが届いても、笑顔で受けいれている自分に。
・・・この国にいると、本当にこちらまで「おおらか」になります。
信号がなくても譲り合って、自分の行きたい道を進む人々を見て、なんだか羨ましくなったり、あたたかな気持ちになってる自分に。
・・・信号がないのに、みんな好きなところで堂々と道を横断するし、車だって、大通りに平気で割り込んでいきます。
そういう小さな出来事が、私の中の「柔らかさ」と「強さ」を成長させてくれる気がするのです。
そして、夜の風に吹かれながらふと空を見上げると、どんな国の空の下でも、同じ月が浮かんでいることに気が付きます。
私にとって、海外に出ることは、「日本を離れること」ではなくて、日本の良さを深く知ることのできる体験。
異国の地で、自分の中の「日本人らしさ」を再発見したり、日本の有り難さを再確認したり。日本人の、物事に対する丁寧さ、人に対する思いやりや謙虚さ、そして調和を重んじる心は、私たち日本人もつ品格で、世界の中で輝く美徳だと感じます。
それは、自分を客観的に見つめ直せる機会でもあり、自分が大事にしているものは何なのかを、再確認できる機会でもあるんです。
先日訪れた、「10,000 Roses」です。 ここは、マクタン島にある、美しい海辺のスポット。
「1万本のバラ」をモチーフにしたガーデンカフェで、夜には、LEDのバラたちが一斉にライトアップされます。
サンセットから夜にかけては、セブの夜景が海の向こう側に広がり、上空を空港に向かう飛行機が、光を放ちながら通り過ぎてゆく、とても幻想的な雰囲気に包まれる場所です。
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