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情事

私がまだ、ほんの駆け出しの子猫の赤ちゃんだったころ、私は森瑤子さんの小説が大好きで、おそらく、出版された彼女のご本は、全て熟読しているかと思います。

夫がいて、娘が3人いて、豊かで何不自由のないを生活を送っていたけれど、当時、「たまらなくひもじく、自分自身に絶望していた。」という彼女は、37歳の時に「情事」という小説を発表し、すばる文学賞を受賞。 またたくまに有名女流作家としての階段を駆け上ってゆくのです。

誰の目から見ても一見、幸せすぎる家庭の主婦が、実は心の内側にたまらなく抱えている、ギリギリと胃が締め付けられるような飢え乾いた感情を、品の良さと高級感あるワンランク上な表現で、すごくお洒落に描写されている。

ああ、大人の女性って…。 大人になったら、こんなことを知っている女性になりたい。 

女性と言うにはまだ駆け出しの、ほんの娘っこレベルだった私にとって、何だかとても大人でお洒落な世界を颯爽と楽しんでいるようにみえて、本当に雲の上の憧れの女性だったあの方は、ある時突然、夢のように天国へ召されてしまったのでした。 

彼女が小説家として生きた期間はたったの15年。 本当に雲の上に行ってしまうには、あまりに早すぎ、若すぎる年齢だったように思えます。

お酒が好きだった彼女の小説の中には、お洒落な洋酒のカクテルがいろいろ出てきて、「ああ、大人の女性って…。」とそれもまた、お酒とは無縁だった当時の私にとっては、夢のような世界で、とても憧れでした。

美味しいものが好きで、お料理も好きだった彼女は、小説の中に出てくるお料理を再現した、お料理本も出版していて、それがまた、すっごく素敵なのです。

この本で知った「オイルサーディン丼」というのが、もうあまりに簡単でお洒落で、「ああカッコイイ!!」と私は身震いするくらい感激してしまったのでした。

「これだけしかなかったの♫」なんて言って、夜中にさっとこんなの作って出してあげられるような女になりたい!! 娘っこだった私は、ジタバタするほどそのシチュエーションに憧れたのでした。

ところで、そのオイルサーディン丼というのがまた、恐ろしく簡単で、美味しいのよ。 お酒を飲んで、真夜中に小腹がすいたときなんかには、もう最適!! このために、常時自宅にオイルサーディン缶をストックしておこうかと思うほどです。 もしかして、これは今でも充分に、勝負飯として土俵にあがれるかもしれない(笑)

<作り方>
①オイルサーディンの缶をあけ、油ごとフライパンに投入!
ゴーカイに油が跳ねるので、やけどに注意デス。フライパンは深さがあるもののほうがいいですよ♫

②火が通ってきたところで、お醤油をまわしかけます。
さらに激しく油が跳ねるので、本当に注意してください。 (ちなみに、これだけだとかなりしっかりした味付けになるので、私は更に日本酒か白ワインをちょっと加えます。 彩アレンジも是非お試しあれ!!)

③丼によそった炊きたてご飯の上に、②を乗せて、白髪ねぎをたっぷり盛り、さらに七味をふりかけ出来上がりです♫

さて、何故に急に森瑤子さんのことをお話ししたくなったかというと、深夜に何だかお腹がすいてきたから(笑) 

連想ゲームではないけれど、私にとっては、深夜→空腹→森瑤子→お酒→お洒落な男と女→情事…。 そんな感じです。

私ってとっても恵まれてる、幸せだ~♫ と思う反面、頑張っても頑張っても、ちっとも報われないような気がして、落ち込んじゃったりすることもあって、ああ、これってまさに頑張ってる大人の女の葛藤のようなものなのかも…。 と思ったら、急に彼女の小説の様々なシーンが浮かんできたのでした。

まだほんの娘っこで多感で情緒豊かだったあの時期に、たくさん彼女のご本が読めたことは、私にとって、大人の女性の指針でもあり、彼女のご本の中のシチュエーションはそのまま、大人の女性の指南書でもあります。

フランス文学に傾倒し、むさぼるように本を読んだという彼女に影響されて、当時の私もマルグリット・デュラスの「愛人(ラマン)」を読んだのだけれど、あの頃には漠然としか理解できなかったことが、大人になるとだんだんと理解できるようになるもので、でも、今になって思えば、逆にあの頃だから得られた思いや感情が、本当にたくさんあったのだと気づきます。

つくづく、活字から情緒性を高められるのは若いうちでないと…と思います。

残念だけど、すっかり大人になってからでは、あれほどいろんなことを感じとり、吸収することができそうもない…と思うのです。

森瑤子さんのご本に限らず、あの頃に、たくさんの本を読めて良かった。 きっとこの年になってからでは、どれだけ読んだところで、ただ目が活字の上をすべるだけだろう。と思います。

新鮮な感動やはじめて知る表現。 文学の素晴らしさと言うのは、活字の中からどれだけ自分の心に響く感覚を得られるか、ということなのだと思います。

最近なんか、たまにやっと時間を作って、一生懸命本を読んだところで、ほとんど頭の中に入ってないもんね。 勉強したい意欲はあるのに、トシとると、よほど集中しなくては、活字が頭の中にしっかりと流れ込んでこないのです。 

なんとも悲しいことです。 しかも、この年齢になると、集中力だって続きやしない。 

そのうえ、そもそも読書する時間だってゆっくりと作れやしない。 鉄は熱いうちに打てっていうけど、本も若いうちに読めってことですね。 ホントにそう実感します。

これから学びたいことはたくさんあるのです。 乾いたスポンジがどんどんと水を吸収するような、あの頃のようにはいかないけれど、学ぶ姿勢と向上心はいくつになっても大切だ。 よし、頑張るぞ~!! な~んて、お腹を空かせながら決意している私なのでした。

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